コラム AI倫理

AIより怖いのは、思考停止だ

本当に伝えたかったのは、AIの話じゃない。考えるのをやめることの方がずっと怖い。

このシリーズを通じて、AIの話をしてきた。

でも正直に言う。
本当に伝えたかったのは、AIの話じゃない。

AIに怯えている人は、AIを見ていない

「AIに仕事を奪われる」と言う人がいる。
「AIを使いこなせる気がしない」と言う人がいる。

その人たちに共通しているのは
AIを、外側から眺めていることだ。

怖い、難しい、自分には関係ない。
そう決めた瞬間に、思考が止まる。

AIは何もしていない。
思考を止めたのは、自分だ。

「考えない」は、今に始まった話じゃない

新しい技術が来るたびに、人は二つに分かれてきた。

触ってみる人と、様子を見る人。
使い始める人と、必要になってから渋々使う人。

これはスマートフォンのときもそうだった。
SNSのときもそうだった。
クラウドのときも、そうだった。

毎回「自分には早い」と言っていた人が、
毎回「気づいたら乗り遅れていた」と言う。

AIは新しい波じゃない。
また来た、いつもの波だ。

思考停止には、自覚症状がない

厄介なのはここだ。

思考が止まっている人は、
止まっていることに気づいていない。

「ちゃんと考えてる」と思っている。
でも実際は過去の判断を繰り返しているだけだ。

  • 去年うまくいったやり方。
  • 前の職場で教わったやり方。
  • 「自分のやり方」と呼んでいるもの。

AIが怖いのではなく、
自分のやり方を疑うのが怖い。

そっちの方が、ずっと本質的な問題だ。

AIは、鏡だ

このシリーズで何度か書いた。
AIは仕事を楽にしない。仕事のレベルを上げる、と。

もう一つ加えるなら
AIは、あなたの思考の深さをそのまま映し出す。

浅い問いには、浅い答えが返る。
止まった思考には、止まった使い方しかできない。

逆に言えば
AIを使いこなせている人は、AIが優秀なんじゃなく、
その人自身が、ちゃんと考えている人だ。

怖がるより、試す

このコラムを読んで、何かを感じた人に一つだけ言う。

難しく考えなくていい。
完璧にできなくていい。
乗り遅れていても、今日から始めればいい。

思考停止の反対は、完璧な理解じゃない。

「とりあえず、やってみる」だ。

AIより怖いのは、考えるのをやめることだ。
そしてそれはAIには、絶対にできないことでもある。

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